道は大人に通ず
8月8日、灼けつくような車内で、蜃気楼に揺らめくアスファルトをぼんやりと眺めながら近くの電気屋やリサイクルショップに片っ端から電話をかけまくる。電話をかけまくるのは、先日の引越し作業でパソコンの電源アダプタを紛失してしまったからである。
辟易する保留音「愛の挨拶」の途中で戻ってきたハードオフの男性スタッフは気だるそうに「あのー、なかったです。」とだけ言い捨て、頼みの綱がまた一つ消えた。「愛の挨拶」の苦手なところは、一番と二番の間に刹那か永遠か妙な間があるせいで保留が終わったのかと、期待と落胆を半永久的に繰り返さなければならないところだ。
さて、これで近くの電気屋やリサイクルショップは全滅した。その後、私が最も信頼を寄せる市外のヨドバシカメラに問い合わせてみるも結果は同じだった。どうしたものか…このままでは本当に仕事ができないので諦めようにも諦めきれず、念のため、もう一度だけGoogleマップを確認してみる。すると、まだ問い合わせていない店がひとつだけあった。普段からよく店前を通りかかるが入ったことのない店で、なんとなく穴場感があるせいかその品揃えに期待が高まる。
私「お忙しいところ恐れ入ります。商品の在庫を確認したいのですが、今お時間よろしいでしょうか。」
男「え?あーはい、どうぞ。」
私「私が使っているパソコンが〇〇というメーカーの〇〇で、これにあう電源アダプタを探しておりまして、台形の中に穴が3つ空いているものなのですが、合いそうなものってありますか?」
男「ないです、うちアダルトショップですよ?(未知書房)」
